南スーダンは、2018年2月時点で、人口の約3分の2にあたる約700万人も飢餓状態に達して、5歳未満の子どもの約530万人も急性栄養不良状態に至る緊急事態に陥った。南スダーンの市民は、飢餓下で生活と生命をかろうじて維持している。首都のジュバの貧弱なマハド難民キャンプにス南ダーンの市民がなだれ込んだ。マハド難民キャンプでは、2018年5月には約7,800人が収容された。その難民キャンプには、多くの女性と子どもが収容されていた。テントの前で座り込み困窮した母親が、手を口に運び食糧を求めた。空腹で飢えた母親から母乳も出ない。何もないテントの中で、1歳半のルオーくんが横たわっていた。その顔には無数の蝿がたかり、追い払うことも困難であった。瞳に蝿がたかり、ルオーの涙から水分と栄養を奪い取った。気温40度を超える灼熱の中で、排水で汚染した水で下痢になった。雨期には、マラリアに感染した。いずれも、子どもから直ちに命を奪った。
1956年にスーダンはイギリス・エジプトから独立した。その後から、イスラム教派のアラブ系住民が多い現在のスーダン共和国とキリスト教や伝統宗教が多い南スーダンは、北部と分離・独立を求める南部の内戦が頻発した。第1次スーダン内戦が1955年8月から1972年3月まで勃発した。第2次スーダン内戦が1983年3月から2005年1月まで勃発した。2011年7月になって、新たな南スーダン共和国が独立したが、内戦が頻発している。2013年12月と2016年7月には、2度にわたる戦闘が勃発した。2013年12月14日に、南スーダンの首都ジュバで、南スーダン人民解放軍の一部が反政府クーデターを引き起こして、内戦状態となった。2016年7月に首都ジュバで、大統領派と副大統領派が衝突して、再び内戦状態となった。