2024年1月3日、イラン南東部ケルマンで、革命防衛隊の司令官であったカセム・ソレイマニの命日を追悼する式典の最中に二重爆発が発生し、少なくとも84人が死亡、200人以上が負傷した。ソレイマニは2020年に、イラクのバグダッドでアメリカ軍のドローン攻撃により殺害されており、この日はその4回目の追悼行事で、多くの支持者が墓地周辺に集まっていた。
爆発はソレイマニの故郷ケルマンのサヘブ・アルザマン・モスク近くの殉教者墓地付近で、約15分の間隔をあけて2回起きた。最初の爆発は墓から約700メートル、2回目は約1キロ離れた場所で発生したとされる。イランの報道によれば、爆弾を詰めたバッグが設置され、遠隔操作で起爆された可能性がある。現場では突然の爆発により群衆がパニックに陥り、逃げ惑う混乱が広がった。死者数は当初100人以上と報じられたが、その後84人に修正された。
イラン政府はこの事件をテロ攻撃と断定し、最高指導者のアリー・ハメネイは「邪悪で犯罪的な敵」が関与しているとして厳しい報復を誓った。大統領のエブラヒム・ライシも事件を強く非難し、予定していたトルコ訪問を中止したうえで、翌日を国民追悼の日に指定した。イラン側は背後に米国とイスラエルがいると主張した。
しかしアメリカは関与を明確に否定し、国務省報道官は米国も同盟国イスラエルも関係していないと述べた。イスラエルも公式なコメントは控え、軍報道官は現在はハマスとの戦闘に集中していると説明した。
事件は、ガザ地区で続くイスラエルとハマスの戦闘や、前日にレバノンでハマス幹部が殺害されたことなど、中東情勢が緊張する中で発生した。事件後、ケルマンでは群衆が再び集まり「イスラエルに死を」「アメリカに死を」と叫びながら抗議した。テヘランでも数千人が集まり追悼集会が開かれた。
国際社会からも非難が相次ぎ、アントニオ・グテーレス国連事務総長や欧州連合(EU)は強く批判し、EUの外交安全保障上級代表であるホセップ・ボレルはイラン外相に哀悼の意を伝えた。さらにロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、平和的に墓地を訪れていた人々を殺害した残虐な行為だとして非難した。ハマスやサウジアラビアなども事件を批判し、多くの国が犠牲者への哀悼とイラン国民への連帯を表明した。
