2006年に公開されたアブグレイブ刑務所の写真には、フードを被った数人の裸のイラク人が写っている。そのうちの一人の腰には "I'm a rapeist"(私はレイプ魔だ)と足に書かれている。
写真を撮影したのは、アブグレイブ刑務所で憲兵として勤務していたアメリカ軍兵士だった。あるアメリカ軍兵士が友人からこれらの写真を入手し、指揮官に渡したことから2004年4月下旬に始まった。テレビ番組の60 Minutes IIには、写真のうち12枚を掲載して、さらに多くの写真があることを報道した。軍服を着た男女のアメリカ人が、裸のイラク人囚人と一緒にポーズをとっている写真もあった。
2004年4月に公開されたアブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所での拷問の写真は、世界中に怒りを巻き起こした。糞便にまみれ、鎖につながれ、殴られ、切られ、裸にされ、頭に袋を被せられ、屈辱的な姿勢で立たされている囚人の写真。軍の看守は笑いながら親指を立てている。頭に袋をかぶせられ、ワイヤーにつながれ、箱の上に立たされた囚人の写真は、アブグレイブで加えられた拷問の代名詞となった。箱の上に立たされた囚人たちは、動けばワイヤーが引っ掛けられ、感電死させられると言われた。
アブグレイブの町にあるアブグレイブ刑務所は、サダム・フセイン政権時代のイラクで最も悪名高い刑務所のひとつだった。アメリカ軍は侵攻後に、改修して軍事刑務所にして、約約7490人の囚人を収容した。
赤十字が2004年に発表した報告書によれば、 囚人の約70〜90%は誤って収容された。アブグレイブ刑務所は、2003年から2006年までアメリカ軍が捕虜となったイラク人を収容していた刑務所である。虐待は刑務所内の独房棟1Aと1Bで行われた。2003年のイラク侵攻に先立つ数ヶ月の間にアメリカ司法省によって、外国人抑留者に対する特定の強化された尋問技術を許可された。アブグレイブ疑惑に関連した罪で11人のアメリカ軍兵士が軍法会議で有罪判決を受けた。そのうち7人はメリーランド州に拠点を置く第372憲兵中隊の兵士であった。他の多くの軍人は起訴されなかったが、懲戒処分を受けた。