2023年1月28日に、ウクライナ東部のドネツク州のシヴェルスク(Siversk)近郊の戦場の前線にて、殺害されて横たわったロシア軍兵士の死体が放置された。シヴェルクスクは、2022年7月以降ににドンバスの重要な輸送拠点である激戦地のバフムートの北方約30kmに位置した。ウクライナ軍兵士は、放置された多数のロシア軍兵士の死体の横に立って検死した。
Warning: The bodies of Russian soldiers lying on the ground on the frontline near the Ukrainian town of Siversk, Donetsk region, on January 28. Picture: Anatolii Stepanov/AFP
ロシア軍は、ウクライナ軍の防御を突破するために、捕虜や訓練不足の徴兵の大群による肉弾戦をウクライナに浴びせた。生贄の軍隊の死体は、荒野に放置された。ロシア軍は、戦闘行為に追われて、棺桶に入った兵士をほとんど祖国に帰していない。ロシア軍兵士の死体は、放置され、積み上げられ、移動火葬場や即席の炉で火葬され、急いで埋められ、放置されたまま、腐ったり凍ったりした。
ロシアは長い間、対外戦争にロシア軍兵士の死者数を軽視した。行方不明の届け出があれば、家族の補償金をロシア政府は支払わなくて済む。ロシア軍の損失は死傷兵約18万人程度に近づいた。ウクライナ軍の損失は、兵員約10万人、民間人約3万人を伴った。
冬間にロシア軍の戦術が変わり、第一次世界大戦の塹壕戦で、数千人のロシア軍兵士は塹壕に並んだ後に、ウクライナ軍の防御陣地に突入を命じられた。多数の死体は、氷や雪の中に積み上げられ放置された。人命の軽視と死体の山は非常にロシア軍的な特徴となった。限られたスペースに何百体もの死体があると、深刻な健康リスクになる。死体は腐敗する。バクテリアは増殖する、病気を広げ、水路を汚染した。冬は死体が凍って、死体の搬送が容易になる反面、土を掘って素早く墓を作るのは困難となる。
ウクライナ東部のドネツク州のバフムート市周辺での戦闘は、第一次世界大戦の塹壕戦と化した。ウクライナの広大な開けた農村部が戦場となった。戦車、塹壕、大砲、迫撃砲は、戦略兵器ではなく、殺人機械となった。凍てついた大地に塹壕を切り開き、部隊の援護にあたる。戦術も、塹壕から次々と兵士を送り出し、敵陣に突進した。