2019年7月11日木曜日

イラクのモスルにて、イスラム国兵士の首から断頭された死体が、弾痕の壁に向けて倒れて放置された。

イスラム国(ISIS)の兵士の首から断頭された死体が、2016年12月頃に弾痕の壁に向けて倒れて放置された。イスラ国兵士の死体の側に、切断された頭部が転がっていた。約1万人から構成したISIS軍は、約40万人の市民を人間の盾してモスルを防御した。市民が生活する市街地で、無差別で悲惨な紛争が長期化した。モスル市民は閉じ込めたイスラム教徒の寺院であるモスクが、防波堤にされた。モスルは銃弾の瘢痕だらけで、建物も崩壊した。紛争に巻き込まれ兵士よりも多くの市民の死体が散乱して、腐敗した死臭が停滞した。
 イスラム国(ISIS: Islamic State of Iraq and Syria)は、イラク戦争後からイスラム教のスンニ派が支配して、国際テロ組織であるアルカイダから2004年に分派した過激組織が起点となった。イスラム国は、イラクの約100万人以上の北部の都市であるモスルで、2014年7月に最高指導者のアブバクル・バグダディが国家の樹立を宣言した。イスラム国は、イスラム市民を無差別に奴隷にして処刑などによる恐怖政治に基づく独裁国家となった。イスラム国は、インターネットによりSNSでプロパガンダを国際的に拡散した。2015年1月には日本人も巻き込まれて拘束された民間軍事会社の湯川遥菜とフリージャーナリストの後藤健二が、イスラム国軍兵士により断頭されて虐殺された。さらにイスラム国の勢力が拡大して、2015年5月には紛争中のシリア領にまで占領した。2016年10月からイラク軍とアメリカ軍らの有志連合などが、イスラム国の主要拠点であるモスルの奪還の戦いを主導した。イラク軍らがモスルの東南側から、シーア派民兵軍が西側から、北東側からはクルド人部隊がイスラム国の奪還を展開した。イラク軍が2016年11月23日にモスルを完全に包囲して、モスルの一部を制圧した。2018年12月19日にアメリカ軍はイスラム国を撃破を宣言して、シリア北部のクルド人地域からの突然の撤退を開始した。